2010年1月13日水曜日

ゲーム内のお話

妻が一番楽しみにしているのが、オンラインRPGゲームの一つである
グランドファンタジア というゲーム。
もちろん操作は一切出来ないので、私がプレイしているのを見ている。
ホームシアターの90インチのプロジェクターなので、映画を見る感覚で
バーチャルな世界を旅したり冒険したりしている。
もう5人ほど育てたり経験したりしているから、同じ話や同じマップの
繰り返しばかりなはずなのだが、「私、ここ記憶にない」という事が
だいぶ増えている。まあ毎回新鮮でいられるというのは幸せかもしれない。

このゲームの中の、細切れのクエスト用ストーリーの中では
ベスという女性の話と、コロンブス号で未来に飛ばされた父娘の話が
良く出来ていて、印象深い。ベスという女性は、嫉妬にかられた挙句
あるインスタントダンジョンのボスモンスターに変身してしまったのだが
このダンジョンを初めて攻略した時だけ、「ベスの日記」が手に入る。
日々人間だった事を忘れ、手足が変形していく様を
恐怖心をもって過ごしていて、まだ人間の記憶が残っている間に
だれか私を殺してほしい、と願う内容になっている。
過去2回、この日記を読んで、哀れと思う反面、記述内容は
ゲーム企画者が思いつくありきたりの内容としか思えなかった。

妻が若年性アルツハイマーと判ってから、3回目のベスの日記を手にして
一昨日、もう一度中を読んでみた。
「日々薄れていく人間としての記憶を留めるために日記を記している。
ただ、昨日いろいろ考えた事も、今日になると、なにがなんだか・・・」

思わず目が潤んでしまったのを、妻に悟られないようにはしたのだが。


今回ばかりは、その記載がかなりこたえた。

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