義姉夫婦には相談したかったのだが
本人目の前にして
「こいつ、ボケ始めている」とは言えない。
お酒も進み、楽しい会話で夜は更けてゆく。
義姉の舅、「おじいちゃん」の話題となった。
だいぶ以前におばあちゃんを亡くしている。
去年まで孫と同居していたのだが
その孫も大学進学でお家を出ている。
畑仕事も終わった最近は、
朝から焼酎に手が伸びると。
義兄にたしなめられて逡巡する様がかわいい。
振り返って、私ならどうだろう。
朝、施設に妻に会いに行く。
「この人だれ?」という目で寝たきりの妻にみられる。
気落ちして帰り、家でひとりぽつねんとしている。
来し方の苦労を分かち合う人も
行く末の楽しみを作り上げる人も
そこには居ない。
めちゃくちゃな勤務と、わずかな合間に楽しんだ旅行と
お互いの良かったこと、気に食わなくて怒ったこと
あるいは、これからの楽しみなことも
もう思い出したり相談したりすることもない。
そうなったら
朝から酒をあおって、日中は夢うつつに過ごし
夜、夢の中ではぼけていない妻と過ごす。
絶対、そんな生活で身を持ち崩していると思う。
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